内航船とは?種類や特徴をわかりやすく解説【初心者向け】

船について(初めての方向け)

みなさんが港で見かける貨物船やタンカー船の多くは「内航船」と呼ばれています。
しかし、内航船がどんな船でどのような仕事を担っているのかは意外と知られていません。

この記事では、内航船の基本的な定義から、種類、特徴などを船種別に解説していきたいと思います。

内航船とは

内航船とは国内の港間を航行する船舶のことを言います。

船にはさまざまな種類があり、用途で分類すると、「商船」、「漁船」、「軍艦」、「特殊船」など多岐に分類することができるのですが、今回は内航船についての記事なので、「商船」について詳しく解説していこうと思います。


商船は商業目的で運用されている船のことで、タンカーやコンテナ船などの貨物を輸送する貨物船、旅客を運送する定期航路客船(フェリーや遊覧船)などがあります。
皆さんが乗られたことがあるであろうカーフェリーは旅客と貨物を同時に輸送している船で、法規上では旅客船に属していますが、一般的には貨客船に分類されます。

国内~国外航路の船は対照的に「外航船」とよばれている


内航船の主な種類

船の用途は多様で、その大きさを生かしてさまざまな物資や人員の輸送を行っています。
ではどのような船がどのような役割を担っていて、私たちの生活を支えているのでしょうか?
今回は代表的な船種をいくつか紹介していきます。

タンカー船

液体貨物を輸送する船のことを総称してタンカー船といいます。
タンカーには原油などを輸送する原油タンカーや、アルコールや液体化学薬品などを輸送するケミカルタンカーの2種類に大別することができます。
一般的にはタンカーと聞いて原油タンカーを想像する人が多いのではないでしょうか?
タンカー船は船体のほとんどの区画が液体貨物を輸送するためのタンクになっており、船備え付けのカーゴポンプを用いて陸上に出荷を行っています。

液化ガス専用船

液化ガス専用船は液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)を輸送するLPG船と液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)を輸送するLPG船の2種類があります。
この2つはどちらも気体であるガスを低温で冷却して液化させて輸送を行います。液体のほうが気体の状態よりも容積を小さくして効率よく輸送できるためです。
内航船の多くはLPG船が就役しており、LNG船はLPG船ほど多くはありません。
これには輸送する貨物に特徴があり、LPGとLNGでは気体から液体になるまでの温度に大きな違いがあり、LNGを輸送するための船体やタンクの素材や構造に厳しい条件があり、小型の内航船での輸送には向いていないため、比較的条件の緩いLPG船が多く就役しているということです。

コンテナ船

名前のとおりコンテナを輸送する船のことをコンテナ船といい、日常生活で使われる物資の海上輸送の大半をコンテナ船が行っています。
街中でコンテナを乗せた大型トレーラー見たことはあるでしょうか?コンテナ船では、そのコンテナを一度に大量に輸送することが可能です。
内航船では小型のものでコンテナ約50~100個、大型のもので約500~600個を1度に輸送することが可能で、これが外国船になると2万個を超えます。

コンテナは20フィートコンテナ1つを1TEU(twenty fort equivalent units)と表記します。

自動車運搬船、RORO貨物船、旅客船

一見同じように見える3つの船ですが、役割と設計が少し違うので紹介していきます。

自動車運搬船

画像:(日本郵船)
(画像:日本郵船)

自動車運搬船とは完成した車を運ぶことに特化した船で、港で車を運転して積み込みを行います。
積み込めるものは乗用車やトラック、バス、建設機械などがあります。
この船は、乗用車を積み込むために設計されている船ですので、デッキの高さ(床から天井までの高さ)が低く造られていて、多層デッキ(10~14階くらい)なのが特徴です。
また、背の高いバスや建設機械などを収容するために上下に可動するリフダブルデッキっという構造を備えています。

自動車輸送がメインなので外国航路中心の船舶が多い

RORO船

ROROは(rollon rolloff)の略、つまり「転がして運ぶことができるもの」全般を運ぶことができるのがRORO船です。
RORO船は大型の貨物を運ぶことを想定された造りになっているので、デッキに高さがあります。
積載物はトレーラー(シャーシ付き)やトラック、コンテナなどがあり、一部の特殊な造りをしているRORO船では鉄道車両なども運ぶことが可能です。

国内輸送がメインになるので物資が多品目で貨物の自由度が高い

旅客船

旅客船の定義ですが、国際条約(SOLAS条約)によって旅客定員13名以上の船は旅客船に該当します。つまり12名以下は貨物船扱いということです。
人を運ぶにあたって車両甲板の他に上部には客室やレストラン、大浴場などがあります。
また、SOLAS条約や国内の旅客船規則が厳格化させたことにより、救命艇や救命いかだが多数備え付けられていたり、避難経路の設置やバリアフリー化などが義務付けられています。
前述のRORO船との大きな違いは旅客の有無にあり、人を乗せるための設備を備えている旅客船はRORO船の何倍もの建造コストがかかります。

離島航路、観光、地域交通、災害時の人員、物資の輸送でも旅客船は欠かせない存在

ばら積み船

石炭、鉄鉱石、木材チップ、穀物などの梱包されていないばら積み貨物を運ぶ船のことをばら積み船といいます。
ばら積み貨物といってもその種類は多く、貨物の状態や、重量などに応じて設計された専用船が多く造られており、船艙の上面や底面を山形や谷型にすることで貨物の偏りなどを防ぐ工夫が施されています。

比重の軽い木材チップなどは船艙が広く造られているが、比重が重い鉱石などは船艙は比較的せまく造られている。

さいごに

内航船の特徴、役割についてまとめてみましたがいかがだったでしょうか。
内航船はあまり目立つ存在ではありませんが、海洋国家である日本の物流と生活を陰で支えている重要な存在です。
今回紹介した記事で少しでも内航船の仕事に興味を持っていただけたら嬉しいです。

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